不登校を繰り返すのは回復のサイン。再発(揺り戻し)の原因と親の対応
一度は登校できるようになった子どもが再び休みがちになり、「いつまでこの状態が続くのか」と先の見えない不安を感じていませんか。
不登校の繰り返しは「揺り戻し」と呼ばれ、実は回復過程で多くの子どもが経験する自然な現象です。
この再発は決して後退ではなく、子どもが次のステップに進むために必要なエネルギーを蓄えているサインでもあります。
この記事では、不登校が繰り返される原因と心理的メカニズム、2024年そして親としてできる具体的な対応方法を解説します。
この記事を読めば、揺り戻しが回復過程の一部であることを理解し、焦らずに子どもを見守り、適切な次のステップを判断できるようになります。
目次
まずは知っておきたい「揺り戻し」の事実|不登校の繰り返しは回復過程の自然な現象です
不登校における「揺り戻し」とは、一度学校に行けるようになった子どもが、再び休みがちになる状態を指します。
多くの保護者が「また振り出しに戻ってしまった」と不安になりますが、この繰り返しは不登校の回復過程でごく自然に見られる経過です。
子どもが再登校という大きなハードルを越えた後、心身のエネルギーが不足したり、新たな壁にぶつかったりすることで一時的に後退するように見える現象であり、決して失敗ではありません。
むしろ、子どもが学校と向き合おうと葛藤している証拠と捉えることが大切です。
まずは、こうした揺り戻しが特別なことではないと理解することが、冷静な対応への第一歩となります。
なぜ?不登校を「行ったり来たり」繰り返してしまう5つの主な原因
子どもが登校と欠席を繰り返してしまう背景には、心と体のエネルギーバランスや、学校環境との関わりなど、複数の要因が複雑に絡み合っています。
一見、気まぐれに見える行動にも、子どもなりの理由や葛藤が隠されています。
ここでは、不登校を「行ったり来たり」と繰り返してしまう際に考えられる5つの主な原因について解説します。
原因1:学校生活のペースに心と体が追いついていない
不登校の期間が長引くと、生活リズムが乱れがちになり、特に昼夜逆転の状態に陥ることが少なくありません。
その状態から再登校を始めると、朝決まった時間に起き、授業を受け、集団で活動するという学校生活のペースに心と体がすぐには適応できません。
大人が考えている以上に、学校生活は体力的にも精神的にもエネルギーを消耗します。
そのため、数日頑張って登校すると疲れ果ててしまい、翌日は動けなくなるといったことを繰り返してしまうのです。
原因2:授業の遅れや学習面での不安が再燃している
不登校期間中の学習の遅れは、子どもにとって大きなプレッシャーとなります。
特に、進級や受験が関わってくる中学生や高校生になると、授業についていけないことへの焦りや、将来への不安がより深刻になります。
再登校したものの、授業の内容が理解できなかったり、テストで思うような点が取れなかったりすると、「自分はもう追いつけない」と感じてしまい、再び学校へ向かう意欲を失ってしまうことがあります。
原因3:友人関係のストレスが完全には解消されていない
友人関係のトラブルが不登校のきっかけであった場合、その問題が根本的に解決していなければ、再登校しても再びストレスを感じることになります。
久しぶりに会う友人との距離感がつかめなかったり、休んでいた間のグループの変化に戸惑ったりすることもあるでしょう。
本人が「また嫌な思いをするかもしれない」という不安を抱えたままでは、安心して学校生活を送ることができず、登校が不安定になる一因となります。
原因4:再登校でエネルギーを使い果たし、気力が湧かない
子どもにとって、長い間休んでいた学校へ再び行くことは、非常に大きなエネルギーを必要とします。
登校初日や数日間は、緊張感や「頑張ろう」という気持ちで乗り切れても、そのエネルギーを使い果たしてしまうと、まるで電池が切れたように動けなくなることがあります。
この状態は、心のエネルギーを再充電するための休息期間であり、回復の経過において必要なプロセスです。
ここで無理をさせると、回復がさらに遅れる可能性もあります。
原因5:不登校になった根本的な問題が解決していない
友人関係や学習不安だけでなく、先生との相性、学校の環境、家庭内の問題など、不登校の引き金となった根本的な原因が解決されていない場合、何度再登校を試みても同じ壁にぶつかってしまいます。
例えば、子どもが学校の特定の状況に強いストレスを感じているにもかかわらず、その環境が変わっていなければ、登校を継続するのは困難です。
表面的な登校再開だけでなく、子どもが何に苦しんでいるのか、その本質的な問題に向き合う必要があります。
このような根本原因が未解決のままだと、親が焦って対応してしまいがちです。
これは避けたい!不登校の再発時に親がやってはいけないNG対応
子どもの不登校が再発すると、保護者は心配や焦りから、つい子どもを追い詰めてしまうような言動をとりがちです。
しかし、良かれと思ってかけた言葉や態度が、かえって子どもの心を傷つけ、状況を悪化させてしまうことも少なくありません。
ここでは、子どもの不登校が再発した際に、保護者が特に避けたい3つのNG対応について解説します。
強く当たってしまう自分を責めてしまう方は「不登校の子にイライラしてしまう原因とは?」もあわせてご覧ください。
NG対応1:「また休むの?」と子どもを問い詰めてしまう
「また休むの?」「どうして行けないの?」といった言葉は、子どもを問い詰める響きを持ち、強いプレッシャーを与えます。
子ども自身も、なぜ行けないのか分からず苦しんでいる場合が多く、このような言葉は「自分はダメな人間だ」という罪悪感を植え付けかねません。
保護者の落胆やいら立ちが伝わると、子どもは本音を話せなくなり、心を閉ざしてしまいます。
不登校の繰り返しは、子ども自身の葛藤の表れであることを理解し、責めるような態度は避けるべきです。
NG対応2:原因を無理に聞き出そうと焦ってしまう
子どもの状態を心配するあまり、「何が原因なの?」「何かあったの?」と理由を性急に聞き出そうとすることも逆効果です。
不登校の原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどで、子ども自身も明確に言語化できないケースが少なくありません。
無理に原因を探ろうとすると、子どもは詮索されていると感じ、心を閉ざしてしまいます。
まずは子どもの気持ちに寄り添い、話したくなった時にいつでも話せるという安心感を与えることが先決です。
NG対応3:他の子どもと比較して劣等感を煽る言葉をかける
「〇〇ちゃんは毎日ちゃんと学校に行っているのに」「みんな頑張っているんだよ」など、他の子どもと比較する言葉は、子どもの自尊心を大きく傷つけます。
子どもはすでに、学校に行けない自分と周りの友達を比べて劣等感を抱いています。
保護者からの比較の言葉は、その劣等感をさらに煽り、「自分は価値のない人間だ」と思い込ませてしまう危険性があります。
比べるべきは他の誰かではなく、過去の子ども自身です。
少しでもできたことを認め、その子のペースを尊重することが重要です。
子どもの心を軽くするために親ができる4つの関わり方
不登校を繰り返す子どもに対し、親はどのような姿勢で向き合えばよいのでしょうか。
大切なのは、子どもを追い詰めるのではなく、心のエネルギーを充電できる「安全基地」となることです。
特に思春期である中学生や高校生は、親との関わり方に敏感です。
ここでは、子どもの心を軽くし、次の一歩を踏み出す力を育むために親ができる4つの具体的な関わり方を紹介します。
関わり方1:まずは「休んでもいい」と伝え安心できる環境を作る
最も重要なのは、子どもが安心して休息できる環境を整えることです。
「学校に行けなくても、あなたの価値は変わらない」「今はゆっくり休んで大丈夫」というメッセージを言葉と態度で伝えましょう。
家庭がプレッシャーを感じる場所ではなく、心からリラックスできる「安全基地」であると感じられることで、子どもはエネルギーを回復し、次のステップへ進む意欲を取り戻すことができます。
無理に登校を促すのではなく、まずは子どもの心に寄り添い、無条件に受け入れる姿勢が不可欠です。
関わり方2:子どもの好きなことや得意なことを一緒に見つける
不登校の子どもは、学校に行けないことで自信を失い、自己肯定感が低下していることが多いです。
そのため、学校や勉強以外の場面で、子どもが「楽しい」「自分はこれができる」と感じられる経験を積むことが非常に重要になります。
ゲーム、イラスト、音楽、料理など、どんなことでも構いません。
好きなことから始める習い事の選び方は「不登校の小学生に合う習い事の選び方」で解説しています。
子どもが夢中になれることや得意なことを一緒に探し、その活動を認め、褒めることで、失われた自信を取り戻し、生きる活力を育むことができます。
不登校の子どもがゲームばかりしている状況については「不登校でゲームばかりしている状況をチャンスに変える方法」で詳しく紹介しています。
関わり方3:保健室登校など小さな目標からスモールステップで進める
再登校を目指す場合でも、いきなり「教室で一日過ごす」という高い目標を設定する必要はありません。
まずは「朝、学校の前まで行ってみる」「保健室で数時間過ごす」「好きな授業だけ参加する」など、子どもにとってハードルの低い目標から始めることが効果的です。
小さな成功体験を一つひとつ積み重ねることで、子どもは自信を取り戻し、徐々に学校にいる時間を延ばしていくことができます。
本人のペースを尊重し、スモールステップで進めることが大切です。
関わり方4:学校の先生とこまめに情報共有し、連携体制を築く
不登校の問題を家庭だけで抱え込む必要はありません。
担任の先生やスクールカウンセラーなど、学校関係者と定期的に連絡を取り、子どもの様子や家庭での状況を共有することが重要です。
学校と家庭が連携し、子どもの情報を多角的に把握することで、より効果的なサポートが可能になります。
例えば、学校での別室登校の調整や、学習プリントの受け渡しなど、具体的な協力体制を築くことで、子どもの安心感にもつながります。
「学校に戻ること」だけが正解ではない!子どものための多様な選択肢
不登校の解決策を「学校に復帰すること」だけに限定してしまうと、親子ともに追い詰められてしまいます。
特に、進路選択が現実的になる中学生や高校生にとって、今の学校に戻ることだけが全てではありません。
子どもの心身の健康を最優先に考え、視野を広げて多様な学びの場や居場所を検討することも、前向きな選択肢の一つです。
選択肢1:フリースクールや地域の教育支援センターを探す
フリースクールは、子ども一人ひとりの個性やペースを尊重したカリキュラムを提供する民間の教育施設です。
同じような悩みを抱える仲間と出会えることもあり、子どもにとって新たな居場所となり得ます。
また、各自治体が設置している教育支援センター(適応指導教室)では、学校復帰を目標としながら、個別学習や体験活動などの支援を受けることができます。
自宅での学習を出席扱いにする制度は「不登校の「出席扱い」制度とは?」で解説しています。
これらの施設への通所は、在籍校で出席扱いになる場合が多いため、学校との連携も取りやすい選択肢です。
選択肢2:通信制高校など今の学校以外の学びの場を検討する
毎日通学する必要がない通信制高校は、不登校を経験した生徒にとって有力な選択肢です。
自分のペースで学習を進められ、対人関係のストレスも少ないため、安心して高校卒業資格の取得を目指せます。
近年では、オンラインでのサポートが充実していたり、専門分野を学べるコースがあったりと、多様なスタイルの通信制高校が増えています。
通信制高校の具体的な選び方は「不登校からの進路|後悔しない通信制高校の選び方」で詳しく解説しています。
特に高校生の場合、環境を一度リセットすることで、新たなスタートを切れる可能性が広がります。
選択肢3:オンライン教材などを活用して自宅での学習習慣をサポートする
学校には行けなくても、学習意欲がある子どもは少なくありません。
そうした場合、タブレットやPCを使ったオンライン教材や家庭教師を活用することで、自宅にいながら学習を進めることができます。
自分のペースで学べるオンライン教材は、学習の遅れに対する不安を和らげ、自信を回復するきっかけにもなります。
まずは自宅での学習習慣を身につけることが、次のステップ、例えばフリースクールや通信制高校への移行をスムーズにする場合もあります。
不登校の繰り返しに関するよくある質問
ここでは、不登校の繰り返しに関して、保護者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
同じような疑問や不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
不登校で「行ったり来たり」を繰り返す状態は、いつまで続くのでしょうか?
この状態が続く期間は、子どものエネルギー量や状況によって異なり、一概には言えません。
数週間で落ち着く子もいれば、数ヶ月以上続く子もいます。
大切なのは期間の長短ではなく、この繰り返しが回復に必要な経過であると理解することです。
子どもがエネルギーを蓄え、自信を取り戻すための重要な時間と捉え、焦らずに見守る姿勢が求められます。
子どもが「明日は行く」と言って休むのを繰り返す時、どう対応すれば良いですか?
子どもの「明日は行く」という言葉は、学校へ行きたい気持ちと、行けない現実との間で葛藤している心の表れです。
その気持ちを否定せず、「行きたいと思っているんだね」と一度受け止めてあげましょう。
その上で、「でも、もし行けなくても大丈夫だよ」と伝え、プレッシャーを取り除いてあげることが大切です。
言葉通りに行くことを期待しすぎず、子どもの葛藤に寄り添う姿勢を見せてください。
不登校を繰り返す子どもに対して、親としてできることは何ですか?
まずは家庭を安心できる「安全基地」にすることです。
無理に学校に行かせようとせず、子どものありのままを受け入れ、ゆっくり休ませてあげてください。
その上で、学校以外の好きなことや得意なことを見つけ、自己肯定感を育むサポートをします。
また、親だけで抱え込まず、学校や専門機関に相談し、連携して子どもを見守る体制を築くことも重要です。
まとめ
不登校の繰り返し、いわゆる「揺り戻し」は、回復過程で起こる自然な現象であり、決して後退や失敗ではありません。
子どもが学校生活と向き合おうと葛藤し、エネルギーを蓄え直している大切な時期です。
この再発の背景には、心身のエネルギー不足や学習面の不安、未解決のストレスなど様々な原因が考えられます。
保護者としては、焦って原因を問い詰めたり、他人と比較したりせず、まずは「休んでもいい」という安心感を伝え、家庭を安全な場所にしてあげることが何よりも重要です。
その上で、スモールステップでの目標設定や、学校との連携、さらにはフリースクールや通信制高校といった学校復帰以外の多様な選択肢も視野に入れることで、親子の心の負担を軽くすることができます。
不登校の繰り返しという困難な時期を乗り越えるためには、一人で抱え込まず、専門家や支援機関の力も借りながら、子どものペースを信じて見守る姿勢が不可欠です。
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